非通電で部品の良否を判断できる
京西テクノスの計測器

開発の背景

従来、部品の出口から入口に向かって1つずつ順番に故障箇所を探っていく方法である。しかし、それには時間がかかり、相応のスキルも必要とした。この作業を軽減し、効率を高めるために、非通電式部品良否判定装置『AttackerI』が開発された。開発に着手してから約2年後の2006年2月にリリースした初の京西テクノスの自社製品である。


どのような仕組みか

 AttackerIは、電子機器内の各種実装基板上の部品の良否を、非通電状態で判断する。良品基板と不良品基板を用意して、判定したい部位にテストプローブを当てるだけで、回路の中を流れる信号を解析し、液晶画面に良品の波形と不良品の波形を同時に表示する。良品は緑、計測対象品は赤となり、波形が重なっていれば良品、ずれていれば不良品となる。その違いから誰でも簡単に不良箇所を特定できる。検査信号が部品に悪影響を与える心配もない。


パソコンで波形を見ずに判定できる

 信号の入出力は2チャネル用意。単体で使う場合でも、良品波形データを登録(最大5件)しておけば、不良基板のみの計測でも良否判定が可能である。パソコンに各部位ごとの良品波形データを登録すれば、パソコンが自動的に相違点を判断して画面上に結果表示をする。良否の波形を視覚化して誰もが判定できることを狙ったものだが、パソコンと連動させれば波形を見なくても、良否結果ができる。さらにシステム的な利用もできる。例えば、生産・検査技術部門などで各部位ごとの良品波形データをマスタ登録しておき、そのデータを遠隔地の現場担当者が取り込み、計測データとの違いを検証するといった拠点間の情報のやりとりが可能である。


非通電のメリットが大きい

中でも非通電のメリットが重要である。ひとくちに電子機器と言っても、大きさは様々であり、中には簡単には持ち運べない機械もあるため、通電が必要な場合だと、その場所に行かない限り修理することはできない。非通電であれば機械に入っている多くのユニットの中から、計測対象とするユニットだけを取り外してくれば問題ない。あとは他の場所でも修理ができる。


部品固有の波形で抵抗値を把握

AttackerIの液晶表示部には、コンデンサなら丸い波形、抵抗は直線、ダイオードなら“くの字”形というように、それぞれ部品特有の波形が現れる。前述したように、良否の判断は誰が見ても一目瞭然だ。ところが、それとは別の使い道もある。

 知識が豊富な技術者であれば、例えば表示部に現れた抵抗の波形を見れば、大雑把な抵抗値を掴むこともできる。また、『この回路ならこういう波形が出るはずだ』という推測も可能である。つまり、AttackerIは誰でも使える一方、使い方次第でとても奥の深い利用方法もできる。